高嶺の花男くん

今のコト 過去のコト

わたがし

夢のような時間を過ごして


目が覚めたら隣にはMさんがいた。


ずっと好きで会いたかったMさんが。



寝顔をずっと見てた。


起きてる時は、こんなにずっと


見ることはできないから。


恥ずかしくて。



もう少し起きないでね…って。


でも、起きちゃった。


『おはよう』って眠そうな顔で言われて


胸がキュンって。



杉山さんの歌にあったけど


『気が狂いそうさぁ』って感じ。




その日は午後から友達と約束があったから


ずっとMさんといたかったけど


帰ることにした。





午後から、K子とY子、他には昨日の


同窓会で一緒だった友達が3人。


6人でラーメン食べに行った。


2次会の後は、どうなったのかを聞かれて


Mさんのアパートに手を繋いで行って


合鍵もらって、いなくても来てもいいって


言われたこと。


泊まって、朝帰りしたことを話した。


キャーキャー騒ぐ友達。


K子は、また泣きそうな顔になって


『良かったねー。ホント良かった』って。





それから…


私の仕事が終わる時間は、Mさんよりも


遅くて、先にMさんのアパートに行って


ご飯作って…という妄想のようなことは


できなかった。


私は合鍵を使いたくて使いたくて。


合鍵で部屋に入るって、何か特別な


感じで。


「彼女」って実感できるみたいな。



いつも鞄に入れてあったけど、なかなか…




久しぶりにK子とY子と飲みに行く。


Mさんも友達と飲み会って言ってた。



3人で、いつも行くカラオケのできる


居酒屋で食べて飲んで歌って、大騒ぎ。


2次会は、同窓会の2次会でも行った


ここも、いつも行く店。



また飲んで飲んで…


Y子と私は、かなり酔っ払ってしまった。


お酒飲むとMさんに会いたくなる。


会いたくて会いたくて。


でも、携帯なんてない時代。


お互い飲みに出てたら連絡とれなくて。


お店に電話するのも…。


会いたいのを我慢するしかなかった。



1人冷静なK子が


『花子、Mさんに会いたいんじゃない?

Mさんも飲みに出てるなら…

チャンスじゃない?』って。


『チャンスって?』と聞くと


『合鍵使うチャンス。

いなくても来てもいいって言われてる

んでしょ?行ったら?』って。


えーっ!と思ったけど、ホントにチャンス


かもって。


酔った勢いで行っちゃおうかな…


と考えていたら…



Mさんが友達と入ってきた。


Mさんに会えて嬉しい…のに


ちょっとがっかりしてる私がいた。



でも、やっぱり、Mさんに会えるのが


何より嬉しい。



すぐに私に気づいて来てくれた。


『いると思った😊』って。


はぁぁ…その笑顔…気が狂う…


かなり酔ってた私。


もう我慢できなくて、Mさんにギューって


しちゃった。


『花子、飲み過ぎ😅』って


トイレに連行された。(2回目)


誰もいないのを確認して(Mさんが)


ギューってしてくれた。


で、キスして…


『もう帰れ!』って。


『帰りたくない』って言ったら


『俺の家に帰って待ってて。

鍵持ってるか?』って。



あー、それなら帰りますよ。喜んで。


やっと使える。合鍵。



K子とY子に事情を話して


話さなくても何となく察してたけど。


途中まで送ってくれて。


Mさんのアパートに着いた。



ドキドキしながら鍵を開けて中に入る。


真っ暗で電気のスイッチ探すのに


時間がかかる。


Mさんとは何度か来たけど


1人で来るのは初めてで、ドキドキした。


もう引っ越しも終わってたので


とりあえず、コタツのスイッチ入れて


中に入った。


Mさんが帰ってきたら『おかえり~』


って抱きついちゃおうかな…


と、また妄想が始まる。



で、Mさんが帰って…


来る前にコタツで寝てしまった😭

あの頃のように

『結婚考えてる』って言ったMさん。


ずっとMさんのこと好きで忘れられなくて


そんな私の気持ちを誰よりも分かって


くれてるK子。


『良かったね、花子😭』と泣いてくれた。


そんなK子を見て、私も泣く。





同窓会の2次会も終わり、


3次会に行く人、帰る人、それぞれで。



私は、Mさんと帰ることに。


飲んでるから車は置いて歩いて。



『どうする?帰る?』って聞かれて



まだ一緒にいたい

せっかく会えたんだもん

このまま帰りたくない


なので、私としては勇気を出して


『まだ帰りたくない』って言ってみた。



『じゃ…俺の家来る?まだ何もないけど』


って。Mさんのアパートに行くことに。


歩いて10分くらいかな。


雪は降ってなかったけど寒くて。


手を繋いでくれて、久しぶりにMさんの


温もりを感じた。



アパートは外観は少し古いけど


中は綺麗で。ホントに何もなかった。


居間にストーブと、隣の部屋に


布団があるだけ。



ストーブ着けて、途中で買ってきた


缶コーヒー飲みながら、Mさんと話す。



引っ越しは、まだだけど…って


合鍵をくれた。


『俺がいなくても来ていいから』って。



前は実家だったし


歩いて行ける距離じゃなかった。


でも、これからは歩いて来れる。


Mさんが帰って来る前に来て


ご飯作って、『おかえり~』なんて…


で、『ご飯より花子が食べたい』


なんて言われて…



妄想が止まらない私を見て


『花子?何考えてるの?』って。



『ん、何か嬉しいなって。』


妄想の内容は秘密。


ま、Mさん、そんなこと言わないしね。




同窓会でMさんに会って、話して、


彼女いないことわかって。


また付き合えることになって。


結婚考えてるって言われて。


アパートに来て合鍵もらって。



こんなに幸せいっぱいでいいのかな…




あの頃のように 愛し合えるね

きっと大丈夫 二人なら

傷ついたのも 悔やんだのも

再び出逢えるための Jast memories

あなた以上に愛せる人は

どこにもいないの 永遠に…

花束

Mさんの隣に座る。


Eさん(お店のママ)がビールを持って


きてくれたので乾杯して飲んだ。


やっぱり苦くて。でも、飲む。



『久しぶりだな。元気だった?』


と目を見つめて聞かれる。



それだけで、胸がキュンキュンした。



お正月休みで帰ってきたのかと思ったら


また、こっちで仕事することになったこと。


前は実家だったけど、アパート借りて


住むこと。


今日、私を誘いたかったこと。



そして、1番聞きたかったこと。


私が…じゃなく


Mさんが私に聞きたかったこと。




『Dさんと付き合ってるの?』と。



『Dさん』って言われて少し動揺した。


好きになりかけてたのは本当だけど


『付き合ってないよ。』とだけ言った。


気になってるのに。言えなかった。




『そっか。じゃ、噂なのかな。


花子がDさんと付き合ってるって


Fが言ってたんだ。』



Fさんが…


私にはMさんに彼女いるって言って


Mさんには、私とDさんが付き合ってるって。



でも、Dさんと2人で飲んだことあるし


それ見られてたら、付き合ってるって


思われても不思議ではないのかな…


それにMさんには本当に彼女いるのかも


しれないし…




そんなこと考えてたら



『俺な…○○行ってからも


ずっと花子のこと好きだった。


何度も電話しようと思った。


でも…離れてるし。寂しい思いさせちゃう


かなって。


もう、こっちで仕事するなんて


思ってなかったから。


で、Fから電話きて、花子とDさんのこと


聞いて…あー、もうダメだなって。』



Mさんも好きでいてくれたんだぁ。


私のこと思い出してくれてたんだね。



Mさんが続ける


『でも、また、こっちで仕事することに


なって。帰ってきたら、やっぱり


花子に会いたくて。


会って、ちゃんと話したいと思って。』




私が1番気になってたことを聞いてみる。


『Mさんは?彼女…』って。





『いないよ。


花子のこと好きなのに他の人に


いけないよ。』




やっぱり嘘だったんだね。Fさん。


ごめんね。Mさん。


私、疑ってた。


ホントに彼女いるのかもって。




Fさんから聞いたこと…キスされたこと


Mさんに言おうと思ったけど


何故か言えなかった。


Fさんは私とキスしたこと


言ってないみたいだから…


何か言わない方がいいのかなって。




『花子は今、好きな人いるの?』


って聞かれた。



Dさんのこと気になってたけど…


『私もMさんのこと…


○○行っても、ずっと好きだった。


いつも思い出してた。会いたかった。』


って。



嘘じゃない。


Dさんのこと好きになりかけてたけど


Mさんのことが好きで、会いたくて。




『そっか。良かった😊』って


前と同じく優しい笑顔のMさん。



『じゃ、また付き合ってくれる?』


って言われて、泣きそうになった。




K子が様子を見に来て…


『Mさん!花子のこと泣かせないでよ!』


と言ったらMさんが



『もう泣かせないって。


俺、結婚考えてるから』って。



『えっ!?』


と言って、泣いたのはK子だった。




『なんでK子が泣くんだよ😓』


って苦笑いのMさん。




私はびっくりして何も言えなかった。